クラウドインフラ最新動向 2026年4月 — AWS・GCP・Azure の注目アップデート
2026年4月は、マルチクラウド接続とストレージ分野で重要な GA(一般提供開始)が相次ぎました。特に AWS と GCP がそれぞれ独立してマルチクラウド向けプライベート接続サービスを GA にしたことが注目されます。
AWS Interconnect — multicloud が GA
AWS が AWS Interconnect – multicloud の一般提供を開始しました。Amazon VPC と他のクラウドプロバイダーの VPC を直接つなぐマネージドプライベート接続サービスで、専用帯域と組み込みの冗長性を備えます。
- ローンチパートナーは Google Cloud。Microsoft Azure と Oracle Cloud Infrastructure(OCI)は 2026 年中に対応予定
- 提供リージョンペアは 5 か所:US East ↔ GCP N. Virginia、US West (N. California) ↔ GCP Los Angeles 他
従来のマルチクラウド接続では VPN やサードパーティサービスを経由する構成が一般的でしたが、ネイティブなプライベート接続が実現できます。
同時に AWS Interconnect – last mile も GA となり、オンプレミスからのラストマイル接続をシンプルにする新オプションも追加されました。
Amazon S3 Files が 34 リージョンで GA
Amazon S3 Files が一般提供を開始し、34 の AWS リージョンで利用可能になりました。S3 バケットを AWS コンピュートリソース上の高パフォーマンスファイルシステムとしてマウントできるサービスで、レイテンシーは約 1ms と報告されています。
S3 のオブジェクトストレージとしての利点(耐久性・スケーラビリティ・コスト)を維持しながら、ファイルシステムのインターフェイスで直接アクセスできます。HPC や機械学習のトレーニングワークロードでのデータ共有コスト削減が期待されます。
AWS DevOps Agent・Security Agent が GA
AWS DevOps Agent と AWS Security Agent が一般提供を開始しました。
- AWS DevOps Agent: クラウドオペレーションの自動化を支援。インシデント調査・解決時間の短縮・問題の事前検知を担う
- AWS Security Agent: セキュリティ関連のオペレーションを自動化
また AWS Agent Registry がプレビュー公開されました。組織内で AI エージェント・ツール・スキル・MCP サーバーなどをカタログ管理・検索できるプライベートレジストリとして機能します。
GCP:Cloud SQL オートスケーリング読み取りプールが GA
Google Cloud では Cloud SQL のオートスケーリング読み取りプールが一般提供を開始しました。単一の読み取りエンドポイントから複数のリードレプリカにアクセスでき、アプリケーションの実際の負荷に応じてリードキャパシティを動的に調整できます。
あわせて以下も GA となりました:
- Cloud Run のワーカープール
- Cloud SQL for MySQL と Vertex AI の統合
- GCP ↔ AWS 間の Partner Cross-Cloud Interconnect(VPC Network Peering 対応)
Azure:Databricks AI Gateway が MCP ガバナンスに対応
Azure Databricks では AI Gateway が MCP(Model Context Protocol)インタラクションに対するアクセス制御・使用状況監視・監査ログを提供できるようになりました。LLM エンドポイント・コーディングエージェント・MCP サーバーを横断するガバナンスレイヤーとして機能します。
また Defender for Storage の自動マルウェア修復が GA となり、アップロード時またはオンデマンドスキャンで検出された悪意あるブロブを自動的にソフトデリートできるようになりました。
さらに Windows 365 Business のリスト価格が 2026 年 5 月 1 日から 20% 削減されると発表されています。
アーキテクチャへの影響
マルチクラウド接続の標準化
AWS Interconnect – multicloud と GCP の Partner Cross-Cloud Interconnect の同時 GA により、クラウド間プライベート接続が一般的なアーキテクチャ選択肢になりつつあります。
従来:
AWS VPC ──── VPN(インターネット経由) ──── GCP VPC
2026年4月以降:
AWS VPC ──── AWS Interconnect multicloud ──── GCP VPC
(専用回線・プライベート接続)
S3 のファイルシステム化
Amazon S3 Files により、オブジェクトストレージとファイルシステムの境界がさらに薄まりました。特に機械学習ワークロードでは次のようなメリットがあります:
従来の ML パターン:
S3 → データ転送 → EBS → GPU インスタンス
S3 Files 活用:
S3 Files(直接マウント) → GPU インスタンス(転送不要)
エージェント管理レイヤーの整備
AWS Agent Registry(プレビュー)や Azure Databricks の MCP ガバナンス対応など、AI エージェントを組織的に管理するための基盤整備が各社で進んでいます。
組織内エージェント管理の標準化:
エージェント・ツール・スキル・MCP サーバー
↓
Agent Registry(プライベートカタログ)
↓
チームをまたいだ再利用・ガバナンス
まとめ
- マルチクラウド接続の標準化が加速: AWS Interconnect – multicloud と GCP の Partner Cross-Cloud Interconnect の同時 GA により、クラウド間プライベート接続が現実的な選択肢に
- S3 のファイルシステム化: Amazon S3 Files により、オブジェクトストレージとファイルシステムの境界がさらに薄まった
- エージェント管理レイヤーの整備: AWS Agent Registry・Azure Databricks の MCP ガバナンス対応など、AI エージェントを組織的に管理するための基盤整備が各社で進行中